位相空間論 第5章 距離空間

第1節 定義

目次


第1節 定義

第2節 ボール


テスト

Logをみる

Back
 

第5章 第1節 定義

この節では、距離空間なるものを紹介します。今一般の集合 A を考えます。
 
A : set
dist : A × A R1 へのmapping
   直積集合
 のとき 
  X = (A ,dist) を「距離構造」(metric structure)といいます。


 (1)distreflexive(反射)とは
    a A : dist(a , a)=0

 (2)distdiscerning(分離)とは
     a,b A : dist(a , b)=0 a=b 
    こういう書き方をする時には正確には 
((a)(b)(aA & bA & dist(a , b) imp a=b)
    のことです。

 (3)distsynmetric(対称)とは
    a,b A : dist(a , b) = dist(b , a)

 (4)disttriangle(三角)とは
a, b, c A : dist(a , c) dist(a , b) + dist(b , c)

 これらの条件全てをdistが満たす時
 X = (A , dist)を「距離空間(metric space)といいます。

 ここで距離空間の例をいくつか挙げましょう。


 例1
  A =(- , )    ここではトポロジーを考えていません。
  dist(a , b) = |a-b|   絶対値であらわします。
  a,bA  
  そうすると、これは(1)から(4)の条件を全て満たしています。,
  dist(a, a) = |a-a| = |0| = 0
  dist(a, b) = 0 |a-b| = 0 a = b
  dist(a, b) = |a-b| = |-(a-b)| = |b-a| = dist(b,a)
  dist(a, c) = |a-c| = |a-b+b-c|
      |a-b| + |b-c|     三角不等式
     = dist(a, b)+dist(b, c)
  (A , dist)は距離空間

 例2
 A=R2   2次元空間
 dist(a, b) =   ピタゴラスの距離 
  
  dist(a ,c) dist(a, b) + dist(a, c)もいえるので
 (A, dist)も距離空間になります。

 例3 A=R3   3次元空間
   dist(a, b) =
   これも距離空間をなします。

 例4
  A2=[0 , 1] : 閉区間
  X2=R1|A2 subspace  
  C[0 , 1] = f : X2 R1C[0 ,1]は、[0, 1]
上の連続写像の全体  

  A = C[0 , 1]とすると
  f ,g Aとした時に
  dist(f, g)  sup |f(x)-g(x)|  即ち、区間における2つの関数の1番大きな差を距離(metric)とします。

(A , dist)は距離空間になります。この空間の点は関数です。従ってこのような場合、空間を「関数空間」(functional space)ということがあります。
 関数空間の研究をする学問を 関数解析」(functional analysis)といいます。

 例5
  A2=[0 , 1] : 閉区間
  X2=R1|A2 subspace  
  L2[0 , 1] = f : X2 R1 f2 is integrable on [0,1]L2[0 ,1]は、[0, 1]
上の2乗可積分な関数の全体  

  A = L2[0 , 1]とすると
  f ,g Aとした時に
  dist(f, g) = √( ∫[0,1] |f(x)-g(x)|2 dx)  この積分値を距離(metric)とします。

(A , dist)は距離空間になります。この空間の点も関数です。この空間をL2空間(エルツー空間)といいます。これも関数空間です。