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初期状態


目次

状態機械の出力

初期状態
テストの前に
テスト

多くの状態機械には初期の状態というものがあります。
それは電子的、あるいは電気的回路であれば、電源を入れた最初の状態であり、
機構的なものであるなら、新しく設置された時の最初の状態です。
 このような最初の状態 so を初期状態(initial state)といいます。so ∈ S です。そして
      (X,S,so,f,Y,g) を初期状態をもつ(Moore型)状態機械
                  ((Moore type) state machine with initial state)

といいます。
 お猿のタンバリンのような例では、最初の状態は良くわかりません。買ってきて
箱から出した場合、腕の間隔が決まってはいないと思われるからです。但し
電池のスイッチはOFFになっているでしょう。ですから初期状態は
      {(x,(cos θ,sin θ)): x=0}
なる集合の中の一つの元であるとしか言えません。このように初期状態になりうる
状態の集合Soを初期状態集合(a set of initial states)といいます。
      (X,S,So,f,Y,g)
初期状態集合をもつ状態機械(a state machine with initial state set)といいます。
このような状態機械の方が現実の機械を良く表現できることもあります。
 入力の(有限)列(a finite sequence of inputs)とは、入力のn個の組(x1,x2,x3,...,xn) を言います。
ここで xi (i=1,2,3,...,n)は入力集合Xの元です。数nを(入力の有限)列の長さといいます。
入力の有限列は、時間と共に変化する入力データの様子を表わします。

例 前章の例2のFlip-Flop(電子回路)を考えます。入力集合は{st,rt,o}とします。
ここでst(setのst)は、ボタンON押すことを、rt(resetのr)はボタンOFFを押すことを
表わします。また状態集合は{0,1}とし,出力集合も{0,1}とします。点灯が1、消灯が
0です。なお電球を外につけるため、出力関数gとしては、単に状態の値を外に出すだけ
という意味で、全てのsに対し、 g(s)=s なる写像(恒等写像)を考えます。
また遷移関数fは
      f((o,s))=s
      f((st,s))=1
      f((rt,s))=0
を満たすものを考えます。初期状態は0とします。従ってFlip−Flopは
      ({st,rt,o},{0,1},0,f,{0,1},g)
なる初期状態をもつ状態機械になります。この機械に
長さが10の、入力の有限列(st,o,o,rt,o,o,st,st,o,o)を与えたとき、最終の
出力はどうなるでしょうか?
順に見ていきましょう。
1番目の入力stで初期状態0は1に変わります。また
2番目の入力oで状態1は1に変わります(変わらないということ)。また
3番目の入力oで状態1は1に変わります(変わらないということ)。また
4番目の入力rtで状態1は0に変わります。また
5番目の入力oで状態0は0に変わります(変わらないということ)。また
6番目の入力oで状態0は0に変わります(変わらないということ)。また
7番目の入力stで状態0は1に変わります。また
8番目の入力stで状態1は1に変わります(変わらないということ)。また
9番目の入力oで状態1は1に変わります(変わらないということ)。また
10番目の入力oで状態1は1に変わります(変わらないということ)。
従って最終的な状態は1になります。