Animated Logo

アレフと連続体仮説

目次

自然数と超越数

濃度

無限個の直積

アレフと連続体仮説

いろいろな集合の濃度

TEST

   前々節でアレフゼロを紹介しましたが、実は無限大の濃度として他にツェー  (または アレフ)、エフ  などがあります。それらの定義は、

  = = card({0,1}NAT) (= card (REAL))

  = card({0,1}REAL)

によって行われます。ここに< REAL は実数全体の集合です。 または  は実数全体の集合の濃度です。従って連続体濃度(the cardinality of continuum)と言われます。また  は区間[0,1] 上の全ての実数値関数の全体の集合の濃度で、関数濃度といいます。

 そして

  0 ≦   ≦ 

がいえます。すなわちアレフはアレフ0より大きいのです。

 ところで、アレフの方がアレフ0より(等しくなくて)本当に大きいでしょうか? 本当に大きい、ということが証明されています。その証明の手法はカントールの対角線論法(Georg Cantor, Cantor's Diagonal Method)として知られています。どのようなものかというと、

  もし1対1、ontoの写像fが NAT から {0,1}NAT に存在したとします。すると 例えば次のような表が得られるでしょう。

  f:  0 ---> (0,1,0,0,1,1,1,....)
     1 ---> (1,1,1,0,1,0,1,....)
     2 ---> (0,1,0,1,0,1,1,....)
     3 ---> (0,0,0,0,1,1,0,....)
     ...................

つまり自然数に、0と1とからなる無限列が対応しています。無限列は同じものは出てきません(f が1対1だから)。また全ての無限列は右の行のどこかに現れます(f がontoだから)。このとき右側の対角線の部分(下図で赤で囲ったところ)の0と1を反転させた数列を考えます。

それは (1,0,1,1,...) となるでしょう。するとこの数列(無限列)は右の行のどこかに現れているはずです。それが n 行目であったとします。ところがこれは矛盾です。なぜなら (1,0,1,1,...) の n 番目の数は反転されているはずだからです。つまりn 番目の数が 0 ならばそれは対角線の要素でもあるので1でなければならず、同様にn 番目の数が 1 ならば 0 でなければいけないのです。

 ということはそのような f は存在しない、ということなのです。つまりアレフ0と アレフは同値ではありえないのです。

 「アレフ0とアレフの間の濃度があるか(どちらとも等しくなくて)?」という問題が昔からあり、無い、というのを連続体仮説(Continuum Hypothesis) 、と呼んでいます。数学基礎論でいくつかの理論がありますが、証明をコンピュータで厳密チェックするというレベルでは未だ解決していません(有名なプルーフチェッカーであるMizarのライブリーにはない。証明できないということが証明できる、という説もあるが...)。