4.3 定常性

  3-2. 余談(ブラウン運動)

先程のランダムウォークの例を考えます.
ランダムウォークを直訳すると,「でたらめに歩く」という意味になります.

先程はコインで上に行くか,下に行くか決めましたが,酔っ払いがよたよたと前に行ったり, 後ろに行ったりとどこに行くのかわからない状態を想像してランダムウォークと名づけた訳です.
ですから,酔っ払いが最初駅から出てきてふらふらしているとき,最初は駅の近くにいる確率が高いのですが, 時間が経つと駅からどんどんと遠ざかって,どこにいるかわからなくなってしまいます.このようなことが先程の分布の話からもわかる訳です.




実はこういう現象は,いろいろな物理現象で見られます.
水滴に,花粉をちょっと落とします.
これを顕微鏡で見ます.そうすると,この花粉は水の分子の熱運動の影響で,あっちに行ったり, こっちに来たりと酔っ払いが動くようにげじげじに動きます.それが観察されます. この現象はマルコフ連鎖として記述できます.実は,「マルコフプロセス(markov process)」という言葉があって, このような連続に動く場合は「連鎖」とはいわないで「プロセス」といいます.
そのような現象は,自然界にも観察されます.