複素数論

                                         中村 八束 著  

 二乗して−1になる数は? 昔、このような数は存在しないと思われていたのですが、人類は虚数、 即ち複素数を発明しました(虚数単位i)。虚数はまさに虚なる数ですが、実在すると考えると数学は完全性を獲得します。例えば解に虚数も許すと、n次の方程式はいつでも解をもつことがいえます。

 数学の多くの分野は複素数の存在を前提として成り立っています(行列論、微分方程式論、調和解析学、関数解析学、等々)。

 また工学や物理学でも複素数は重要な地位を占めます。例えば電気工学や電子工学では、電気の波を複素数で表現します(その分野では虚数単位をiの代わりにjで表す)。

 更にもっと一般な波動の概念は光学、量子力学、機械工学、信号理論など様々な分野に現われますが、それらも複素数を用いて表現されます。

 情報工学の分野でも画像の圧縮方法の理論や音声認識のためのスペクトル理論の中にも複素数が 頻繁に登場します。

 そのような複素数について本CAIで学ぶのですが、複素数の理論は奥の深いものです。複素数論は関数論(古くは函数論)ということがあります。それは複素数それ自身だけでなく、複素数の上で定義され、複素数の値をとる関数の研究が重要なためです。

 そのような関数の微分や積分についても学んでゆきましょう。

 各章にテストを用意しています。これらは10問続けて正解しなければその章をクリアしたことにならない、としています。問題は乱数によって作り出されます。途中1問でも誤答すると最初の問題に戻ってしまいます。テストは具体的な計算を要求するものですが、実は理論がよく理解できていないと解けないものが殆どです。

 全ての章のテストをクリアしたとき、あなたの複素数に対する知識は一般の理工系学生としては十分なレベルにあることを保証します。

                           2003年9月著者記す

     

複素数論 第1章 複素数

複素数論 第2章 複素数の意味

複素数論 第3章 共役複素数

複素数論 第4章 複素関数

複素数論 第5章 複素関数の微分

複素数論 第6章 冪級数

複素数論 第7章 指数関数・三角関数

複素数論 第8章 複素積分



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