第8章 複素積分
§2 例
 複素平面内の曲線
  C={z: z=f(t) & T1t & tT2
について、始点を za=f(T1)  終点を zb=f(T2)  とします。
 k(z)=1  なる関数の複素積分を考えてみましょう。
  = lim  = lim

 = = zb-za
即ち 
例1
   = zb-za

となります。この積分の値はCの始点と終点だけで決まっています。
つまり経路によらないのです。

 同じような例をもうひとつ。
例2 上と同じ始点 za と終点 zb を持つ曲線Cについて
    = lim
       = lim (1/2) = (1/2)
       = 
となる。これも曲線の経路によらない。

 被積分関数の形によっては経路に積分の値が依存することもあります。

例3 C として始点を(1,0),終点を(−1,0)なるものを
考える。そのひとつは下図C1の曲線(半円)である。もうひとつは
下図C2の曲線(半円)である。


これらの曲線上で
        =  を積分する。z=  と表すと
       dz =idt  だから
    = =  = [it = ιi
一方、
    = =− = - 
     = -it =- ιi
となり、両積分は値が異なる。なお −C2 は曲線C2を逆向きに
考えたものである。