第6章 冪級数
§2 関数列の収束
 今、無限個の複素関数
{fn}
を考えます。これは関数列(a sequence of functionsといいます。
すべてのnについて  の定義域が集合Aを含むなら関数列は集合A
上で定義されているといいます。
 Aの点zを固定したとき、 は複素数列をなします。複素数列のsの
収束は


  (1)
という論理式で表されます。この意味は何か複素数が存在して、

なる複素数列が限りなくに近づく、というものです。
 このとき、 のような複素数は唯一であることが示せます。そこで
このを複素数列極限(であるといい、
       
と書きます。
 各zに対して  が複素数列としてある値(それをと書く)
に収束するとき、関数列 各点毎に収束する
といいます。そして極限関数(といいます。
 もし が点毎に収束して



がいえるとき、一様収束する(といいます。
すなわち点zに無関係に近似のための自然数nが選べる、という条件です。
 一様収束について次の定理があります(証明は省略)。

定理 ある閉じた集合Dで連続な関数列が関数 に一様収束すれば
は連続である。

 なお上の閉じた集合(とは、
定義 集合Dが閉じた集合(とは任意の収束する複素数列
ついて、各が集合Dに属していれば、その極限もDに属すときである。

従って例えば
 (円の周を含めた内部)は閉じた集合であるが、
 E={} (円の内部)は閉じた集合ではない。それは
 とおけば であるから、これはDの中に入っています
が、E中には入りません(は全てのnについてDにもEにも入って
います)。

 点毎に収束する関数列の例として

に収束する。実軸の上でのみ図示すると、

極限の関数は連続でないので、勿論関数列の収束は一様収束ではない
(各点収束である)。

 しかし、上の例でも、区間 に限って考えると一様収束です。上の
図のように、点  における収束が一番遅いのですが、そこでの
自然数nを選んでおけば、この区間の他の点においてはこのnより大きな
mに対して十分極限値に近づく訳です。