第6章 冪級数
§1 複素級数と収束条件
 今 を複素数列とし、 を複素数としたとき
 複素数列       (1)
複素級数または単に級数といいます。
そして(1)が収束するしないに拘わらず
                   (2)
と書きます。従って(2)のような形があらわれたら、(1)のような
関数列が与えられた、と考えてください。
 なお級数  に対して(1)の を級数の部分和
ということがあります。
 さて(1)の複素数列(部分和)が収束するとき
級数は収束する
といい、その極限値をこの級数の極限値とします。そして
    
とします。即ち(2)式は級数を表すと同時に、もしその級数が収束すれば
その極限値を表すのです。
 
 ここで級数がどんな条件の元で収束するか、を考えます。

コーシーの定理数列に関して)
 複素数列が収束する必要十分条件は
  


という論理式が成立することである。

 これはある番号から先の任意の2項の差を小さくできるという意味です。
これを級数に適用すると

コーシーの定理級数に関して)
 複素級数  が収束する必要十分な条件は 


  
という論理式が成立することである。

これは  とすると、 となりますので、級数の
場合のコーシーの定理を使えば明らかです。

 級数  に対して級数  が収束するとき、最初の級数
絶対収束する、といいます。それに対し必ずしも
絶対収束でない収束を、条件付き収束または条件収束
ということがあります。

   なる数列(は虚数単位)による級数は絶対収束では
ないが条件収束である(部分和を考えれば明らか)。

例2  なる数列による級数は絶対収束。