第2章 複素数の意味
§5 Argumentの公式
 偏角arg(z)に関する公式は次の通りです。

公式1 arg(z1z2)arg(z1)+arg(z2)
              (mod 2

ここで mod 2 というのは、両辺の差が2n(n=0,1,2,
である、ということです。前節で注意したように、角度の表し方は一意でないので
このような表記をします。
 公式1の理由 簡単のためにz1もz2も0cでないとします。
1=Arg z1,2=Arg z2 とおきます。すると前節の偏角の定義
より、
    
    
と書けます。これらを辺々掛け合すと
  
    
が三角関数の和の公式よりいえます。最後の式はArgの公式より
 2
を表します。

 次に z1z2 の意味を複素平面の上で考えます。
 を下の図のように矢印で表します。  
 

 今赤いベクトルで表せる複素数z3を次のように選びます。
つまり、Oc(1+0i)z1 なる三角形を考えます(青に塗ったところ)。
これと、(z2)z3 なる三角形(黄色にぬったところ)が相似に
なるようにするのです。
 すると相似三角形の対応する辺の長さの関係から
    |z3| : |z1| = |z2| : 1
がいえます。すなわち、
       |z3| = |z1||z2| = |z1z2|
となります。
 の角度が、 であることは明らかです。
従って公式1で示したようにと同じものであることが分かります。
即ち、の積の複素数を複素平面上で求めるには、上の図のように相似三角形
を描けばいいのです。

 更に積の場合と同じように考えれば
公式2 arg(arg
(mod 2
もいえる。よって、

公式3  arg(z1z2)arg(z1)arg(z2)
              (mod 2
もいえる。
 また
公式4 arg(z)+arg(z)
              (mod 2
理由:に対して複素平面上では原点に対し点対称になります。従って
角度は  +arg(z)になります( ラジアンは180度)。