第2章 複素数の意味
§4 複素数のArgument
 複素数は、2次元のベクトルとみることができましたが、ベクトルの方向に
あたるものとして、複素数の偏角(argument)
あります。複素数zに対して偏角を arg(z) のように書きますがその
定義は、次のように6つの場合に分けて行います。

   arg(z)= arctan((Im z)/(Re z))
            ... Re z>0 のとき
         = arctan((Im z)/(Re z))−
            ...Re z<0 かつ Im z<0 のとき
         = arctan((Im z)/(Re z))+
            ...Re z<0 かつ Im z≧0 のとき
         = π/2   
            ...Re z=0 かつ Im z>0のとき
         = −π/2
            ...Re z=0 かつ Im z<0のとき
         =0 
            ...その他(z=0c)のとき

で与えられます。ここで arctan というのはアークタンジェントの
ことで、arctan a とは a=tan θ となるような角度 θ
のことです(−π/2<θ<π/2)。即ち、
       θ = arctan a
です。tan θ(タンジェント)は次の図で表せる三角形の辺の比()です。

            b
 複素数zの偏角arg z は、zを複素平面上にベクトルとして表したとき、
下図の赤線の部分の角度(ラジアンで表します)になります。

    −π < arg z かつ arg z <= π
ですが、この計算の中などでこの範囲を越えたときは2nπを加えたり引いたり
して、この範囲のものとして表します(例えばπは2πを引くと−と同じ)。