第2章 複素数の意味
§1 解としての複素数
 複素数は、ある種の方程式の解としてあらわれます。例えば

      x+1=0   (1)

なる方程式を考えると、実数の範囲では解がありません。しかし、虚数単位i
について i=−1 ですから、iをxとすると(1)式を満たします。
 即ちiは方程式(1)の解なのです。−i もまた(1)式の解になります。
つまり ±i が(1)式の解です。

(1)の方程式を変形すると、
     x=−1 ですから、 x=±
と書けます。このことから =i と考えてもいいことになります。

公式1 i=

 また x+2=0 なる方程式の解は
    x=−2 から、 x=± と書けますが、
と変形すると次の公式が得られます。

公式2  i

一般に
公式3 正数pについて 

すると次の例題が理解できるでしょう。

 例1:  x +x +1 =0 の解を求めよ。
 答: 2次方程式の解(根)の方程式によると
     x==− ±
となる。即ち2つの複素数 −i、 −i が解である。
 2次の方程式には2つの複素数の解があることが分かります(重解は2つと
数えます。また実数も複素数の一種と考えます。即ち虚部が0の複素数を
実数であるとするのです)。

 一般にn次の多項式であらわせる方程式には高々n個の複素数の解があることが
分かっています(ガウスの定理)。

 例えば 
      x−1=0     … (2)

なる方程式は 左辺を因数分解すると、

    x−1=(x−1)(x+x+1)

となるので、x−1=0 または x+x+1=0
です。前者から x=1、後者からは例1の結果そのものだから

     x=− 

が得られます。即ち3つの複素数(そのうちの一つは実数)
   1,  +i,  −
が3次の方程式(2)の解なのです。