第1章 複素数
§3 複素数同士の積、商
積: 2つの複素数同士の積(乗算 multiplication)は次のように定義
します。
  z1×z2=((Re z1)×(Re z2)−(Im z1)×(z2))
   +((Re z1)×(Im z2)+(Re z2)(Im z1))i

 複雑そうですが、これは複素数を変数iの文字式とみて、文字式同士の
掛け算をし、 を −1 で置き換えたものと同じです。

例1: (2+3i)× (3−5i) はどのような複素数か?
答: 文字式のように計算する。
  与式 = 2×(3−5i)+ 3i(3−5i)
     = 6−10i+9i−15
     = 6−i−15×(−1)
     = −7−i
すなわち実部が−7で、虚部が−1の複素数である。

 なお×の記号は省いたり、・ を使ったりします。これは実数の場合と
同じです。

例2: (−2+8i)(3+2i)
  =−2(3+2i)+8i(3+2i)
  =−6−4i+24i+16・(−1)
  =−6+20i−16 =−22+20i

商: 2つの複素数同士の商(除算 devision)は、z2が0cでないとき
次のように定義します。z1割るz2を、z1/z2と書くことにします。

 z1/z2 = ((Re z1)・( z2)+( z1)・(Im z2))
/((Re z2+(Im z2),
((Re z2)・(Im z1)−(Re z1)・(Im z2))
/((Re z2+(Im z2))

複雑そうですが、(x+y)(x−y)=x − y
という文字式の公式を用い、それによって
 (c+di)(c−di)=c − d ・i
              =c−d・(−1)=c+d
なる等式を使えば、分母の実数化ということが行えます。即ち、
z1=a+bi, z2=c+di
とすると、
 z1/z2=   =  = 
      =  +  i

となります。c−diを分母子に掛けることで、分母の実数化が行えています。
この結果が商の定義と同一であるのを確かめてください(z2が0cでなければ、
c−di も c+d も0でないので、上の計算が成り立ちます)。

例: (2+3i)/(3−5i)=(2+3i)(3+5i)/(9+25)
   =(6−15+19i)/34
   = −9/34 +(19/34)i

 なお、実数の乗除算に関する公式は全て複素数の乗除算についても成り立ちます。
詳しくは次節で。


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