9.3 その用語が使用されている ABS ファイルを知る

9.3.1 grep を使う方法

 その用語がライブラリのなかのどこで使われているか知りたいことがあります.それは,(どこで定義されているのか)とか,(それに関する定理はどことどこにあるのか)といった疑問のあるときです.そのようなときは,標準の MIZAR システムには入っていないのですが,egrep というプログラムを使うと便利です.例えば Metric という用語があらわれる ABS ファイルをリストアップするには,

  C:\>cd /mizar/abstr
  C:\>/mizar/egrep Metric *.* \| more


とすればよいのです.egrep.exe プログラムは,例えば,次のURL(インターネットの)からフリーで入手できます(M.Patnode氏によるもの).

  http://www.eunet.bg/simtel.net/msdos/txtutl.html

ディレクトリの移動を含めてバッチファイルにしておくと便利です.
 また通常の文字列(英数字)を探すときは上記のようで良いのですが,一般にはその文字列を正規表現 (regular expression) で探すことになっています.従って,a+b+c 又は x+y+z のように3変数の和があるファイルと行を探すには,

  egrep [a-z]\ + [a-z]\ + [a-z] *.*

のようにしなくてはなりません.ここで

  [a-z]

はアルファベット a から z までの文字のいずれかを表わし,\+ は + の文字を表わします.
 ここで,+ や - のような記号は,バックスラッシュ \ の後に書かなくてはいけないことに注意しましょう.
 正規表現の詳しい説明はインターネット上にたくさん出ています.例えば,

  http://www.robelle.com/smugbook/regexpr.html

を参照してください.