4.12 hereby
証明中で使われる hereby は thus + now と同じです.
例えば,
theorem TT1: (for x st x in A holds x in B) & A=A \/ A
proof
hereby let x; assume X in A;
hence x in B;
end;
thus A=A \/ A by BOOLE:35;
end;
では,(for x st x in A holds x in B) の命題がまず証明されて,証明すべき命題群から除かれます.即ち,
now let x;
assume X in A;
------
hence x in B;
end;
の部分が,上の (for----) と同じです.これがまず証明される.ということは,
thus now ---
----
----
end;
というように thus が now の前につけられます.これは,
hereby ----
-----
-----
end;
となるのです.
この応用編として,次のような hereby の使い方があります(これは証明をつけるまでもなく自明な定理ですが).
theorem AA2: x=y iff not y<>x
proof
hereby assume x=y;
hence not y<>x;
end:
assume not y<>x;
hence x=y;
end:
(x=y iff not y<>x) という命題は,(x=y implies not y<>x) & (not y<>x implies x=y) という命題と同じです.hereby で前の (-----) の部分が証明されて取り除かれ,後半では,後の (-----)の部分を証明するのみ,となります.
更なる応用編として,
theorem BB2: A=B
proof hereby let x be Any; assume A1: x in A;
thus x in B by TT1.A1;
end:
let x;
assume X in B;
hence x in in A by TT1;
end;
があります.これは,環境部の definition 部に BOOLE があることによって,(A=B) は,(A c=B)&(B c=A) と同じとみなされます.更に definintion 部に TARSKI があることによって,これは,
(for x st x in A holds x in B) &
(for x st x in B holds x in A)
と同じとみなされます.この形になれば,上の例が hereby で記述できることが分かるでしょう.実際には,この最後の例のように,2つの集合が等しいことを言うときに,よく
hereby が使われます.