4.11 takeについて

 4.7節の繰り返しになりますが,take についてより詳しく説明します.

      ex r bring Real st 1<r-1
                -------(1)


を証明するとき,次のようにします.

  theorem ex r being Real 1<r-1
  proof 1+1<3;then A1:1+1-1<3-1 by REAL_1:59;
    take 3;
    thus 1く3-1 by REAL_2:17,A1;
  end:


最終の式が(1)の形でなく

      thus 1<3-1

となっていることに注意して下さい.これは途中に take 3 があるためで,これによって最終の式から存在記号の部分が取り除かれ,裸の部分だけを証明すればよいことになります.
 これをもう少し詳しく説明すると,

    (∃x)(∃y)(f(x,y))を証明するのに,

   proof  ------ ------ この段階での証明すべき式は(∃x)(∃y)(f(x,y))
        ------ ------
        take a  ------ 
この段階での証明すべき式は(∃y)(f(a,y))
        ------ ------
        take b  ------ 
この段階での証明すべき式は(f(a,b))
        ------ ------
        hence f(a.b);
   end;


だから次のような証明ができます.

  theorem ex r,s being Real st 1<r-1
  proof take 3;
    take 1;1<3;
    hence thesis by REAL_2:17;
  end;


なお,take を使わなくても多くの場合,上の f(a,b) にあたる所を証明すれば,最終的にチェッカーが a と b を探してくれます.例えば,

  theorem ex r being Real st 1<r-1
  proof 1+1<3;then 1+1-1<3-1 by REAL_1:59; then
    1<3-1 by REAL_2:17;
    hence thesis;
  end;


のようにしてもよいのです.