3.3.2 定理

 一般に本体部は定理と定義を中心にして構成されています.
 article で,定理を書くときには,

    theorem 定理の式
    proof
      ···
      ···
    end:



と,書きます.
 こう書くのと先ほどの,

    式
    proof
      ···
      ···
    end:



と,書くのではどう違うかというと,theorem と書くことによって,その式が abstract file に定理として抜きだされるということです.abstract file とは,article から theorem (定理の式) や definition (定義の式) などを抜きだしたファイルです.( .ABSファイル) article を,Miza rライブラリに登録するときには,article を abstract file にして登録します.なぜなら,証明などをすべて含んだ article ( .MIZファイル)では,ファイルの大きさが膨大になってしまって,そこから引用するものを見つけるのは大変だからです.ですから,引用してもらいたい式を書くときには theorem をつけておきます.
 article で定義を書くときには definition を使います.なにか新しい語を定義するとか,新しい関数を定義するときは,この definition を使って定義します.定義については後で詳しく説明します.
 それから,theorem や definition は proof 〜 end の中に書くことはできません.ネスティングの一番上の段階だけで使うことができます.つまり,

    theorem ...
     proof
     theorem ...
      proof
      ···
      ···
     end;
    end;



と書くことはできません.
 このように,Mizar article は,大きく分けて環境部と本体部からなり,本体部は通常いくつかの定義と定理から成り立っています.
 また,Mizar articleでは : : 以降はコメントになります.