5.4 証明中の mode の宣言


証明中に変数の mode を宣言することがよくあります.また証明のスケルトンに入りますけれども,例えば P ⊆ Q の証明で,


P c= Q

proof

let x be Any;

assume x ∈ P ;

......

thus x ∈ Q;

end;

のとき,3行目で let x be Any; としています.


be mode名

で証明中に mode を宣言することもできます.もちろん,前もって reserve x for Any とすることも出来ます.


5.4.1 c= についての注意

また注意ですが,Mizar では ⊆ の代わりに c= を使いますが,c= を使う場合は c= の前後に1つづつスペースをあける必要があります.


5.4.2 実際に definition を使っている例

それから,ここでは,(∀ x)(x ∈ P ⇒ x ∈ Q) を証明していて,P ⊆ Q を証明したわけではありません.両者のあいだには数学的距離があります.しかしこれは3章で説明したように環境部の definitions の中に TARSKI を書いておくことにより,システムが自動的に両者が同値であることを理解します.これは,TARSKI の abstract ファイル中に predicate(述語命題)としてこのことが定義されていることによります.

TARSKIには,Mizar ライブラリの基本となる定理から構成されているため,アーティクルを書くにあたっては環境部の definitions のところに TARSKI を書いておきます.